2020/07/02 16:06
リネン&パーニュポーチは、ゴールドやシルバーをのせた後に、
それをじっと見つめて、どんなモチーフにしようかと考えます。
なので、ほとんど同じ構図になることはありません。
でも牛とヤギのポーチはどうもまた作りたくなりました。
それはおそらく太陽と牛、月とヤギが今回のアフリカの旅でとても印象的だったからだと思います。
太陽と牛のイメージはクヤシディヤという村です。
この村は広大な割に人が少なく、牛はとても多くて、牛を避けながら歩いていた気がします。
そしてここではいつ来るかわからない人を、することもなくひたすら待つ、そんな時間を多く過ごしました。
糸が切れたような気持ちのまま歩いている時に見ていた、ポツポツ並ぶ家と土と、あちらこちらで暑そうにしている牛が、茶色というか、オレンジ色というかそんな村の色味を私にイメージ付けました。
太陽のイメージはとても暑かったからかもしれません。
一方の月とヤギはサンバララという村です。
こちらでは川の近く、村のシンボルとも言える大きな木のそばに寝泊まりをしていたので、
よく月明かりを見に、散歩というほどでもない距離をぷらぷらと歩きました。
その時必ずヤギの親子に会ったのです。日が昇る前に歩いた時も会いました。
そばまで寄らせてもらうことはできませんでしたが、いつもそのヤギの親子の後ろ姿を見ながら、まるで置いてけぼりのヤギの子供みたいに、月明かりだけを頼りに歩いたのが、なんだか不思議と落ち着いた気持ちにさせました。
サンバララには藍色のイメージがありました。
だから私の中では牛は太陽で、ヤギは月なのです。
アフリカの旅は、ふとした時にいきなりポッと思い出す風景がたくさんあります。
このポーチはそんな風にちょっとずつ新しいものが出てきたり、はたまた思い出の心地がよくて
また作ってみたり、そうして時々増えております。