2020/03/29 11:10

予定外に来たこの村は、訪れたことのない地方で、そこは割礼の儀式の真っ最中でした。割礼の儀式はアフリカ音楽と密接な関係にあるのでこれまでも興味を寄せていましたが、ほんの少しの距離でも地方が違うと、儀式の様も音楽も全く様子が違うのには驚きました。

この村に入って一番最初に目にしたのが、うっすらと化粧をし、肩車をされた割礼の少年達が列をなして森の中を行進しているところで、それはさながら森の妖精のようでもありました。絶好のシャッターチャンスと思いカメラを構えようとしたところ「本来ここは女性が見てはいけない場面だ」ということで写真を禁止されました。その後も、ここから先は女性は入れないとか、逆に女性だけで喜びを分かつ場面に出会い、この割礼からもアフリカ文化を垣間見た気がしました。

写真は「割礼の子供達を心配した母親(かつては命に関わる儀式であった)が子供を連れ帰らないように見張り役をしている少年達」だと聞きました。持っている木の枝でピシャリとやるそうです。今は形式的なもののようでしたが、砂埃を立てて彼らがわーっとやってくる様子はこの儀式の大切な一部であるように感じました。

4日に及ぶ割礼の儀式の2日間を体感することができましたが、正直ものすごい暑さの中飲む水を自由に手に入れられなくてフラフラしたり、村中が集まる人出の中でどっと疲れが出たりで、朦朧としていた場面も結構ありました。でも、それもこの儀式に出会った経験のひとつですね。

割礼を前にした小さな少年が独特の衣装を着て、なんとも言えない表情で目の前を通り過ぎていった姿が印象的で、どんなだったかなぁと思い出しながらがま口に刺繍してみました。

そんな風にこの旅でふと目にした、誰とも言い難いけれどなんだか心に残っている姿を、小さながまぐちに刻んでいます。

て、ほぼ割礼の儀式の話でした(笑